Rustの環境をWindows 11で整えるために、以下の手順を順番に行っていきます。
Rustのインストールから始め、開発に必要なツールの設定まで進めます。
ステップ1: Rustのインストール
- Rust公式インストーラー(Rustup)を使ってインストール
- Rustをインストールするには、Rustupというツールを使用します。
- Rust公式サイトにアクセスし、トップページにあるインストール方法のリンクをクリックしてください。
- Windowsの場合、「Installer for Windows」のボタンをクリックし、インストーラーをダウンロードします。
- インストーラーを起動し、指示に従ってRustをインストールします。
- PowerShellを開いてRustupを実行
- Rustupのインストールが完了したら、PowerShellを開いて以下のコマンドを実行し、インストールが正しく行われたか確認します。
rustc --version
cargo --version
コンパイルツールチェインのセットアップ
- MSVC(Microsoft Visual C++ Build Tools)のインストール
- RustをWindowsで使う場合、MSVCツールチェインが必要です。Visual Studioの「Build Tools」をインストールします。
- Microsoft Build Tools for Visual Studioにアクセスし、「Build Tools for Visual Studio」をダウンロードしてインストールします。
- インストール中、必須の「Desktop development with C++」ワークロードを選択します。
- RustupでMSVCツールチェインを確認
- PowerShellで以下のコマンドを実行し、MSVCツールチェインが選択されているか確認します。
rustup default stable-x86_64-pc-windows-msvc
Rustのサンプルプロジェクトを作成
- プロジェクトの作成
- PowerShellを開き、以下のコマンドを実行してRustのサンプルプロジェクトを作成します。
cargo new hello_rust
cd hello_rust
cargo run
必要なライブラリのインストール
- Rustでは、外部ライブラリを
Cargo.toml
ファイルに追加することで簡単に使用できます。必要に応じて、ライブラリを探してインストールしてください。- Crates.ioで、Rustのライブラリを検索できます。
環境変数の設定を確認
インストール後、rustc
や cargo
が正しく動作するためには、環境変数が設定されている必要があります。Rustupが自動で設定してくれるはずですが、手動で確認する手順も紹介します。
- 環境変数を確認する手順
- 「スタートメニュー」から「システム環境変数」を検索し、「環境変数の編集」を選択します。
- 「システム環境変数」ウィンドウが表示されるので、下部にある「環境変数」をクリックします。
- 「システム環境変数」のリストの中に
Path
という項目があるので、それを選択して「編集」をクリックします。 - Rustがインストールされているパス(通常は
C:\Users\<ユーザー名>\.cargo\bin
)がリストに含まれているか確認します。もし無ければ、次の手順で追加します。 - 「新規」ボタンを押して、以下のパスを追加します。
C:\Users\<ユーザー名>\.cargo\bin
Rustの拡張子
Rustのソースコードファイルの拡張子は、.rs
です。VS CodeでRustのコードを書く場合、通常のテキストファイルとして作成し、.rs
という拡張子で保存します。
Rustのコード作成と保存の手順
- 新しいRustファイルを作成
- VS Codeを開き、
Ctrl + N
で新しいファイルを作成します。 - Rustのコードを書き始めます。例:
- VS Codeを開き、
fn main() {
println!("Hello, world!");
}
Rustファイルとして保存
- コードを書いたら、
Ctrl + S
を押してファイルを保存します。 - 保存ダイアログが表示されたら、ファイル名を**
main.rs
** のように、拡張子.rs
をつけて保存します。 - Rustプロジェクトの場合、通常は**
src
フォルダ**の中に.rs
ファイルを保存します。
Rustプロジェクトでのファイル構成
- Rustのプロジェクトは、
cargo new
で作成されるディレクトリ構成に従い、通常src
フォルダ内にmain.rs
を配置します。例えば、以下のようになります。
my_project/
├── Cargo.toml
└── src/
└── main.rs
cargo new
コマンドを使ってプロジェクトを作成すると、このようなディレクトリ構造が自動的に生成されます。
my_project/ # プロジェクトのルートディレクトリ
├── Cargo.toml # プロジェクトの設定ファイル
└── src/ # ソースコードを置くディレクトリ
└── main.rs # メインのRustプログラムファイル
各ファイル・フォルダの役割
- my_project/
- プロジェクトのルートフォルダです。プロジェクト全体の管理がここで行われます。
- Cargo.toml
- Rustプロジェクトの設定ファイルです。このファイルには、プロジェクト名やバージョン、依存ライブラリ(Crates)の指定などが記載されます。
- 例えば、依存するライブラリ(Crate)を追加するときは、ここにそのライブラリ名とバージョンを追加します。
[package]
name = "my_project"
version = "0.1.0"
edition = "2021"
[dependencies]
- src/(ソースディレクトリ)
- Rustのソースコードを格納するフォルダです。Rustのコードはこの中に配置されます。
- main.rs
- プロジェクトのエントリーポイントです。プログラムが最初に実行されるファイルで、
main()
関数を含んでいます。 - ここに、プログラムのロジックを書いていきます。基本的にはこのファイルからコードの実行が始まります。
- プロジェクトのエントリーポイントです。プログラムが最初に実行されるファイルで、
追加の構成
大規模なプロジェクトになると、srcフォルダ内に複数のファイルやモジュールを配置することができます。
例えば、以下のようなファイル構造が一般的です。
my_project/
├── Cargo.toml
└── src/
├── main.rs # メインプログラム
└── lib.rs # ライブラリのモジュール
- lib.rs: プロジェクトをライブラリとして提供する場合や、複数のモジュールを整理する場合に使われます。
プロジェクトの作成方法
- 新しいプロジェクトの作成
PowerShellやVS Codeのターミナルで以下のコマンドを実行します:
cargo new my_project
これで、my_project
という名前のフォルダが作成され、その中に Cargo.toml
と src/main.rs
が自動で生成されます。
プロジェクトのビルド・実行 作成したプロジェクトに移動し、以下のコマンドでビルドと実行を行います:
cd my_project
cargo run